2013年05月03日

新旧ヤマトより氷原のゆきかぜ ~ヤマト2199第4話

新旧ヤマトより氷原のゆきかぜ ~ヤマト2199第4話
↑ヤマト2199、エンケラドゥスの氷原に眠るゆきかぜ


氷原に眠る突撃宇宙駆逐艦ゆきかぜ


はい、ヤマト2199の第4話から、衛星エンケラドゥスに漂着した、“磯風型駆逐艦ゆきかぜ”にござる。


そして、下は旧作ヤマトでの同様なる場面、ゆきかぜ

新旧ヤマトより氷原のゆきかぜ ~ヤマト2199第4話
↑旧作ヤマト、氷原に眠るゆきかぜ


ちなみに、旧作では衛星エンケラドゥスではなく、衛星タイタンでコスモナイトを採掘している途中、古代たちはゆきかぜに遭遇したという設定にござる。

そもそも、今般のヤマト2199の第4話「氷原の墓標」は、旧作ヤマトでは第6話「氷原に眠る宇宙駆逐艦ゆきかぜ!!」に該当するストーリーにござるが、さまざま点で違いがござるわけでして、主だったものをあげると以下のごとくにござる。

(旧作ヤマト6話と2199第4話における相違点)
1.ヤマトが立ち寄った土星の衛星が違う
旧作では、衛星タイタンにてコスモナイト採集にあたるが、ヤマト2199では、ご存知のように惑星エンケラドゥスに変更されてござる。これは、地表が氷原に覆われておるのはタイタンではのうて、エンケラドゥスであるという近年の宇宙研究の知見に基づいた修正にござる。

2.コスモナイトの採掘のやり方が異なる
旧作では、もっぱら古代進と彼に同伴した森雪・アナライザーがたった3人で大量のコスモナイトを採集する。しかし、これは森雪がひとりでレーダー士(船務長)と生活班長と看護師を兼任していたのと同じくらい無理がありすぎて現実的ではない。ヤマト2199ではこの点を検討して、真田技師長と榎本装甲長が率いる、複数の運送機などから成る大規模な採掘団がコスモナイトの調査、採掘に当たったことに修正されておる仕儀。

3.古代進たちを襲撃したのが、人間(ガミラス人)かアンドロイドかの違いがある
旧作では、古代進と彼に同伴した森雪・アナライザーが、ヤレタラの襲撃を受けて、3人ともあやうく捕虜にされそうになるが(古代進の起死回生の反撃でヤレタラはコスモガンで撃たれて死ぬ)、ヤマト2199は古代以下4名を襲ったのはヤレタラではなく、ガミロイド(ガミラスアンドロイド)。ちなみにそのガミロイドに古代たちの捕獲をさせたのが、シュルツの部下ヴォル・ヤレトラー(旧作のヤレタラに該当)。

新旧ヤマトより氷原のゆきかぜ ~ヤマト2199第4話
↑旧作ヤマトの第6話より、古代と森雪に銃を突きつけるヤレタラ。旧作では、古代たちを襲撃するのはアンドロンドではなく、ガミラス人だった


ほかにも探せば、相違点はありましょうが、ざっくりとしたところではこんな感じじゃろうか。最後の3番目のじゃが、なぜ2199でガミラス人なりを登場させず、古代たちと直接、接するのをガミロイドなるアンドロイドに変更したか、その理由はお分かりじゃろうかのぅ。

それは、旧作においては、その後のストーリーで、戦闘機ごとガミラス人の捕虜をヤマトが生け捕りにし、そのときに古代進はじめヤマトのメインクルーが“ガミラスがどんなやつかと思ったら、われわれと同じ人間じゃないか!”と叫ぶ場面がござる。つまり、土星衛星ですでにガミラス側の人間ヤレタラと接触しているはずなのに、後のストーリーで初めてガミラス人を見たかのような発言をしていることになって、つじつまが合わぬうようになっておるのでござる。

新旧ヤマトより氷原のゆきかぜ ~ヤマト2199第4話新旧ヤマトより氷原のゆきかぜ ~ヤマト2199第4話
↑左が旧作ヤマトに登場したガミラス人捕虜。兄を殺された恨みにこだわる古代進は思わず彼に刃物を突きつけ・・・それに対して、右は2199にて、ヤマトに乗艦してきたガミラス人パイロットのメルダ・ディッツ。2199では私情を捨て敵兵メルダにも穏やかに接する古代進は、旧作の過激な姿とは対照的でござった。

ちなみに、2199では旧作でのガミラス人パイロットの捕虜の代わりに、第10話において、共同作戦の使者メルダ・ディッツが登場するのは先行上映をご覧のお歴々には周知のことでござるが、第4話の土星衛星での白兵戦の相手を人間ではなくアンドロイドにしたことで、メルダ・ディッツを見たヤマトのクルーたちが“肌の色を除けば、われわれと同じ人間じゃないか”と口走ったことが矛盾なく受け入れられるわけにてござりまするな。
それに、ガミロイドを出したことによって、第8、9話においてロボットの友情について叙情的に描くことにも成功してござる。

新旧ヤマトより氷原のゆきかぜ ~ヤマト2199第4話新旧ヤマトより氷原のゆきかぜ ~ヤマト2199第4話
↑ヤマト2199第3章先行上映より


おっと、いささか脱線してしまい申した。

話を、2199の第4話と旧作ヤマトの第6話に戻しましょうぞ。

先には、2199と旧作の相違点について述べましてござりまするが、もちろん共通点などもきちんと見受けられましてござる。

たとえば、

シュルツ司令の目的が、情報収集のためにヤマトのクルーを生け捕りにしようとヤレトラー(旧作ではヤレタラ)に指示を与えることは新旧同じにござる。


新旧ヤマトより氷原のゆきかぜ ~ヤマト2199第4話
新旧ヤマトより氷原のゆきかぜ ~ヤマト2199第4話

わーいニコニコ、新旧ヤマトから“お父ちゃん”登場にござーる♪♪

説明がなくともわかりまするぞな、もし。

上が旧作ヤマトのシュルツ司令で、下がヤマト2199でのシュルツ司令にござるよ。


いかがにござるかのぅ、こうやって新旧ヤマトを見比べて見ると、なかなかに面白うござりまするぞえ。

ま、おじさんがあれこれ言うだけでなく、実際の動画をご覧あれ。

今般、取り上げた旧作ヤマトの第6話のフル動画にござる↓↓↓
http://www.veoh.com/watch/v17231449m395SNzJ/usy

ヤマト2199の第4話を見た後で、鑑賞するといろいろと気づくこともあろうかと、真田さん。

同じサイトに第6話以外のフル動画もそろっておるようじゃて、2199のテレビ放映にあわせて少しずつ見てみなさるとよろしかろうて。


あと、最後にもうひとつ、旧作ヤマトよりご紹介したき場面↓↓↓新旧ヤマトより氷原のゆきかぜ ~ヤマト2199第4話

古代進の報告に対して、地球をユキカゼのようにはしたくはないなと沖田艦長がのたまうのはヤマト2199でもそのまま踏襲されてござるが、

その場面に付随した下の場面↓↓↓は2199では省かれておった仕儀

新旧ヤマトより氷原のゆきかぜ ~ヤマト2199第4話

これは、“ゆきかぜに生存者なし”の報告を受けて静かに落涙する沖田艦長。

旧作ヤマトに精通したる方ならば必ず記憶にとどめおる場面にござるよ。


なぜ、2199ではこれが削除されたのじゃろうか。それは最後のクライマックスを盛り上げるためか、はたまた今のご時勢を鑑みれば、1974年当時、うけた趣向も今となってはくどいとか?

じゃが、この感動シーン、おじさん個人的にはジーンぐすんとなり申しまするぞ。

しからば、明日の朝一番からまた、大勢訪れてくださる観光客のお歴々をおもてなしせねばならぬので、これにて消灯させていただきまする。



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Posted by まほろば旅日記編集部 at 02:16 │ヤマト2199TV放送