2013年09月04日

こちらネタバレありの感想 ~ヤマト2199 第7章

2199年12月8日

    ヤマト、地球へ帰投




藤堂おじさんでござる。

8月31日、新宿の映画館にて、宇宙戦艦ヤマト2199の旅路の結末を見届けて参り申したる仕儀でござる。

旧作での展開と細かな点はかなり違うのじゃが、帰途のヤマトをデスラー総統が強襲してヤマト艦内に乗り込んでくる点や、森雪がヤマト艦内での白兵戦にて一旦死ぬが蘇生する点など大筋な流れはやはり旧作を踏襲しておるし、総統とタラン(兄)が共にデスラー艦(デウスーラII)に乗ってヤマト襲撃、その際に多数のアンドロイド兵を使って白兵戦を展開したり、ヤマト艦内でデスラーと古代・森雪が対峙する場面などは続編、特に、さらば宇宙戦艦ヤマトを意識しておると思しき要素も様々に取り入れておる第7章じゃった。

この第7章、感想は見る人によって、だいたい大きく二つに分かれたのじゃあるまいか。後半、古代と森雪の心の絡みを主軸に、そしてそれを大きくクローズアップしたストーリー展開となり、デスラー総統の孤高かつ凄惨な死に際や沖田艦長の「何もかもみな懐かしい」の偉大なる往生はメインではのうて、あくまで古代&雪の愛物語の調味料的な位置づけにござった由。古代と森雪のラブロマンスに傾倒したるヤマトファンのお歴々にはまさしく、涙、涙の大感動のクライマックスじゃったろうが、旧作(特に続編)にて敵ながら高潔なる戦士じゃったデスラー総統を愛して止まないヤマトファンにとってはいささか不満、最後に肩透かしを食らって気抜けした感があったやもしれませぬぞな、もし。かくいうおじさんもどちらかと言えば後者にござる。

こちらネタバレありの感想 ~ヤマト2199 第7章
↑ 「ガミラスは尊い犠牲をもって、古き衣を脱ぎ捨てる、この第二バレラスこそが新しきガミラスとイスカンダルの架け橋となるのだ!!」と、はるか地上に置き去りにした民衆に向けて宣言し、空中から巨大建造物を落下させてバレラスのすべてを殲滅しようとするアベルト・デスラーはまさしく狂気そのもの。

デスラー総統が次第に狂気じみてまいるのとは反対に、これまで茶坊主じゃったヒス副総統閣下が指導者としての本領発揮とばかりに危機迫るデスラー総統府からの一人でも多くの人民を救うべく非常事態宣言と即時避難指示を発令・・デスラー株大暴落と同時にヒス株が急上昇したことにござろう。


こちらネタバレありの感想 ~ヤマト2199 第7章
↑ 「ヤマトがやってくれたぞ!! ヤマトが我々を救ってくれたのだ!」と、波動砲で落下物をなぎ払ったヤマトを見上げて、歓喜の叫びをあげるヒス副総統。その腕に抱いている少女はヒルデ・シュルツ。

確かに、先日ご紹介の我がまほろばリポーターKI氏が指摘するががごとく、このリメイクされたヤマトの総統アベルト・デスラーは一見、何を考えているのかわけのわからぬ狂気の御人であり、一見、究極の悪。その行為や、市民や幕僚を見捨ててデウスーラで第二バレラスへと脱出し、ヤマトだけでなく帝都バレラスをも破壊せんと、巨大落下物(第二バレラスの一部)を落としたり、デスラー砲をバレラスに向けて撃とうとしたり、ヤマトのみならず、必要とあらば多くのガミラス市民を葬り去ることにも意を介さなかったのでござる。


こちらネタバレありの感想 ~ヤマト2199 第7章
「総統、やめてください!!今、あなたが撃とうとしているのは、あなたの臣民なのですよ!」

とのタランの必死の諫言にもかかわらず、これはガミラスが古き衣を脱ぎ捨てて新しく生まれ変わるのにどうしても必要な通過儀礼だなどと言って、文字通りの大量虐殺をまさに行わんとするアベルト・デスラーは、まさしく狂気の沙汰。これではゲシュタム亜空間でのヤマトとの白兵戦&砲撃戦の末、たとえ死を免れて生きておったとしても、アベルト・デスラーにはもはや帰れる場所もないどころか、おそろくは代わってガミラス新総統となったレドフ・ヒスによって国家大逆の重罪人として追捕されてもおかしくないほどにござる。

しか〜し、おじさんは・・おじさんは・・
アベルト・デスラーを狂気のバカ総統として見放す気には、何故かなれぬ・・・・


こちらネタバレありの感想 ~ヤマト2199 第7章
↑ 「下がっていろ!!」と、銃撃をするとき、森雪を安全なところへと突き飛ばすデスラー総統

しかと上映を見ておって感じた仕儀、いや、はっきりそうじゃとわかったわけではあらねど、言葉や表情の片鱗、微妙な部分を見ておって、このアベルト・デスラーなる御人、単なる気まぐれな暴君ではのうて、すべてをわかったうえで敢えて過酷な選択肢を選んでおるようにも受け取れてしまい申してな・・
アベルト・デスラー総統、狂気の悪人として最終章を締めくくったのじゃが、同時に、この上なく孤独で、とてつもなき悲しみに満ちた御人にも見え申した仕儀。ただの狂気じゃったら、多くの犠牲が出した罪は未来永劫自分ひとりで背負うと言ったり、ヤマト艦内で銃撃が始まったとき敵方である森雪が銃弾を浴びぬように安全なところへ突き飛ばしたり、セレステラを誤って撃ったときに苦悶の表情を浮かべたりせぬじゃろ?そして、炎上するデウスーラ艦橋でひとりデスラー砲の引き金を引くときのアベルト・デスラー総統の悲痛とも執念とも思える表情が忘れられませぬ。

こちらネタバレありの感想 ~ヤマト2199 第7章
↑「星々をうち従え、宇宙を救済へと導くこと・・それが私の使命なのだ・・・・」。そう言いながら、炎上するデウスーラの中、デスラー砲の引き金に手をかける総統は、何とも悲しいぐすん


・・・とまあ、語れば長うなりまするゆえ、デスラー総統については此度はこのくらいにいたしまする(詳しくはまた後日にでも)。


はてさて、先のKI氏の速報にもあった三つの疑問についても、今となってはネタバレしましょうぞ。

その三つの疑問たるや、

 1)土方さん達,続編で活躍した将の活躍があるのかどうか。ヤマトに続いて新造された波動エンジン搭載艦が,ゲール率いるガミラス艦隊を打ち破るシーンが描かれているのかどうか。
 2)古代守の再登場があるのかどうか。
 3)終盤でガトランティス帝都彗星に座上したズォーダー大帝が出てくるのかどうか。


1)と3)はなし。2)はあり。でござった。

最終章で、ヤマト2やさらばで登場したような、新造の地球艦隊などは一切登場せなんだ。従って、土方さんや山南さんの戦闘活躍シーンもなし。そして、ガトランティスも一切、再登場なし。ただひとつ、古代守は再登場ござった。ただし、ヤマトがイスカンダルに到着したときには既に死亡、その遺言だけがカプセルに録画されて、スターシャがヤマトクルーに見せるのでござる。旧作同様、捕虜(人体サンプル)としてガミラスへ護送される途上、事故でイスカンダルに不時着するものの、ヤマトの到着を待たずに力尽きてしまっておった。

デスラー総統が去った後のガミラスとも事実上、和平してイスカンダルに到着したヤマトに対して、「あなた方は波動エネルギーを兵器に転用しましたよね。それはダメ。」とコスモリバースシステムを渡すことを渋るスターシャ。ヤマトとともに旅を続けてきたユリーシャや、ヤマトの波動砲によってバレラスの危機を救われたヒス副総統の口添えなどがあって、何とかコスモリバースシステムをもらえることになるのじゃが、何とこのコスモリバースシステムの中核はイスカンダルで亡くなった古代守の記憶体じゃったり・・いろいろと驚くことがありましてのう。

ヤマトそのものをコスモリバースシステムとして改造し、その中枢は古代守の意識体じゃったが、古代守が、ガミラス女近衛兵の銃弾に倒れた森雪を生き返らせて力を使い果たした後、代わって、赤さびた地球と息子夫婦との写真を前に「何もかもみな懐かしい」と静かにつぶやいて大往生を遂げた沖田艦長の思念がコスモリバースシステムの中枢に移って、一旦、機能停止してしまったコスモリバースシステムが再稼動、無事、地球は赤さびた死の星から、元の青い生命の星へと戻るという顛末にござった。

はたまた、ヤマトもコスモリバースシステムとしてイスカンダルで改造されたときに、波動砲口を封じられ、イスカンダルとガミラスとテロンの三者間の協定で二度と波動エネルギーを用いた兵器を使わぬこととなったわけで、これにて、そのまま旧作を踏襲する形での続編の作成は極めて難しくなっておることは確かにござりまする。

こちらネタバレありの感想 ~ヤマト2199 第7章
↑「あの人には私が必要なの!!」。デスラー総統が去ったバレラスを逃亡し、バラン付近を漂流中にヤマトに救助されたセレステラが吐露する、デスラーへの切なる想い。結局、ヤマト2199で最大の悲劇のヒロインはこのミーゼラ・セレステラさんじゃった・・ほんに、かわいそうじゃったぐすんぐすん


ヤマト2199の最終章上映も残すところ、あと2日

あまたのヤマトを愛するお歴々が映画館へと既に足を運ばれ、リメイクされたるヤマトの結末を、それぞれの万感なる思いとともに見届けたことにござろう。

ほぼ40年ぶりにスクリーンによみがえったヤマト、皆々様はいかがでござったるか?



・・2199年12月8日、

         宇宙戦艦ヤマト、万感の思いとともに地球へ帰投・・
 


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Posted by まほろば旅日記編集部 at 03:27 │ヤマト2199先行上映