2015年02月05日

星巡る方舟、大いなるヤマトの世界観を再現せり

星巡る方舟、大いなるヤマトの世界観を再現せり
↑ 宇宙戦艦ヤマト星巡る方舟の上映記念に配布されたシークレットファイル(3週目)

いやはや、長野地方は寒い雪降る日々がつづきまするなぁ~。

そして、続編の有無はさておき、宇宙戦艦ヤマト2199の旅路も年末年始の星巡る方舟をもって一区切りの終わりを遂げたるよし。

新旧のヤマトファンのお歴々、星巡る方舟のお気に入りの場面のカットフィルムなどは手に入れられ申しましたかのぅ・・・・

星巡る方舟、大いなるヤマトの世界観を再現せり
↑惑星カッパドギアへと降下つつ、後方ガトランティス前衛艦隊に向けて魚雷を放つヤマト


さて、宇宙戦艦ヤマト2199の世界をしっかり締めくくりたる、宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟、本編を見事に補完いたし、2199の最後を飾るに相応しきストーリー(・・じゃととおじさんは思う)でござったが、目ざときヤマトファンのお歴々はもうお気づきでござろう・・以下のこと。

ヤマト2199星巡る方舟には、旧作ヤマトの続編シリーズのオマージュが随所に


例えば、ざっと簡単に思いつくだけでも

・古代進と沖田艦長の父子のような関係=旧作ヤマト1作目&完結編でも、父と子のような描写

星巡る方舟、大いなるヤマトの世界観を再現せり星巡る方舟、大いなるヤマトの世界観を再現せり
↑旧作で描かれた、まるで父と子のような沖田艦長と古代進(左:宇宙戦艦ヤマト1974年版、 右:宇宙戦艦ヤマト完結編1983年 より)


・古代進が、ヤマトの指揮を一任されている=旧作ヤマト2・新たなる旅立ちにおける艦長代理の古代進


・第一艦橋の機関長席に、徳川さんに代わって山崎さんが座っている=旧作ヤマト新たなる旅立以降の山崎機関長(徳川さんの後をついでヤマトの第2代機関長になった山崎さん)

星巡る方舟、大いなるヤマトの世界観を再現せり
↑旧作での宇宙戦艦ヤマト第2代機関長の山崎さん(宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ち1981年より)


・幻影で訪れる者をたぶらかす惑星シャンブロウ=旧作ヤマトIIIで登場した惑星ファンタム(コスモ生命体)
 
※旧作のファンタムについて補足しますと訪れた者の記憶に沿った風景や思い出(思い出の人)を幻影として見せるため、この星を訪れたヤマトクルーには地球そっくりの風景を見せ、またガルマン帝国の軍人にはガルマン星そっくりの景色を見せるという描写がござったが、これはどうやら此度のヤマト星巡る方舟こと惑星シャンブロウにもそのままそっくり当てはまるようでござる。古代たちヤマトクルー一行にはアマゾンそっくりの密林や戦艦ヤマト、レトロな高級ホテル(いずれも桐生美影の記憶に基づいて創作された幻影)を見せ、バーガーたちガミラス側には、ガミラス星そっくりの風景や物が見えていた様子でござる(古代一行がザルツ人部隊に見えたこと、机上の童話本が桐生にはヘレンケラー、ネレディアに変装したレーレライにはジレルとガミラスがらみの童話だと認識されていたこと)。惑星ファンタムの趣向をジレル人(アクェーリアス)と結びつけたのでござるな。


 そして、何よりも

・ヤマトとガミラスの共闘は、やはり旧作の新たなる旅立ちでのヤマト・ガミラス連合軍vs暗黒星団帝国のオマージュになっているらしいことでござる

星巡る方舟、大いなるヤマトの世界観を再現せり
↑今般の星巡る方舟における、ヤマト・ガミラス連合艦隊

星巡る方舟、大いなるヤマトの世界観を再現せり
↑旧作ヤマト新たなる旅立ちにおける、ヤマト・ガミラス連合艦隊

まあ、ガトランティスの登場やサーベラーの登場など細かきこともオマージュといえばオマージュじゃが、旧作ファンから見て、これはびっくり!と目に付くところで、ざっと思い当たるところで4つほど、旧作続編のオマージュでござる。

基本的にストーリーや設定は文句なしの完全新作たる、ヤマト2199星巡る方舟は、意外にも旧作の続編シリーズをさまざまに意識し、その要素を大いに取り込んでおるといった仕儀にてござりまする。
そして、この趣向に、旧作以来の中高年ヤマトファンのお歴々も少なからずニンマリされたのではなかろうや。

此度リメイクされたる宇宙戦艦ヤマトの本編からして、旧作の続編シリーズの登場人物やらその他のネタを大いに使いまわしておった仕儀にござりまするが、これは完全新作映画たる星巡る方舟にしても同様であったと表面的には言えましょうな。
じゃが、かねてから出渕監督が公言されておった「続編封じ!」とばかりに、むやみに旧作続編のネタを、闇雲に使いまわしておるのではのうて、監督はじめ製作陣は、ちゃんと考えて、明確な方針をもって、旧作続編から必要な人物やネタを、ストーリー上の要所に投入しておったということが、此度の星巡る方舟を観て、おじさんにははっきりわかり申した。

旧作において1974年~1983年までの9年かけて描かれ構築されたる宇宙戦艦ヤマトの世界観(宇宙観)が、此度のヤマト2199のストーリーだけで見事に再現されておるのでござりまする。たとえ、2199に続編がなくとも、“無限に広がる大宇宙に散らばる星間国家群と知的ヒューマノイド、そしてその起源はすべてアクエリアスへとつながる”といった、宇宙戦艦ヤマトの大いなるテーマが、ヤマト2199本編と星巡る方舟のストーリーの中で明確に体現されておる、まるで宇宙に大きな円を描いたかのように・・

此度、事実上、宇宙戦艦ヤマト2199を締めくくりし、星巡る方舟の映画、観る人によりて賛否両論に分かれて申すが、不満じゃったお歴々にとってはホテルヤマトでのガミラスとヤマトクルーの奇妙なる共同生活が“子供だましの中だるみ”と映ったようじゃが、満足の笑みをもって鑑賞し終えたるお歴々は、ご自身たちが青少年のころに心酔なされたであろう宇宙戦艦ヤマト独特の宇宙観・倫理観を、星巡る方舟のストーリーの中にはっきり見い出されたのではなかろうかと・・・・
・・まあ、藤堂おじさんの勝手な憶測といえば憶測にござりまする。


星巡る方舟、大いなるヤマトの世界観を再現せり恥ずかしながら、おじさんは満足の笑みどころか、思わず感極まれり!ぐすんとばかりに暗闇にまぎれて目頭を拭っておったことは昨年末に申し述べたところではござりまするがガ-ン




まあ、此度のヤマト2199星巡る方舟は、これ単独で、すなわち旧作やテレビシリーズのヤマト2199を全く知らぬ状態で鑑賞しても、正直、はてな何のことやら状態”はてなでござったろうし、厳しかったやもしれませぬ。ストーリー展開を理解するには、最低でもテレビシリーズの内容を知っておる必要がござったろうし、さらに、その真髄や託されたメッセージを読み取るには、旧作ヤマトがどんな内容の作品であったかを熟知しておらねばならなかったようでござる。

すなわち、此度のヤマト2199星巡る方舟は、旧作のころからのコアなるヤマトファン向けじゃったのではなかろうか。

確かに、テレビシリーズ展開前後は、今の時代に合った宇宙戦艦ヤマトを、と旧作ファンのみならず、若き世代をもファンに取り込もう、新たなる世代にも、かつて、多くの20世紀少年&20世紀青年たちを心酔させ、その後のみんなの人生観やら倫理観をも育んだであろう、宇宙戦艦ヤマトの精神(こころ)を新たなる世代にも伝えていかねば、とリメイクされしものなれど、2199シリーズの最後を飾る、星巡る方舟だけは、旧作を知るオールドヤマトファンへのはなむけとばかりに、旧作全体への熱き思いがみなぎっておったように思えたのは、おじさんの勝手な思い違いでござろうや。
いや、もっと言えば、そうではござらぬやもしれぬ。出渕監督はじめ宇宙戦艦ヤマトのファンを自認する製作面々は、オールドファンにノスタルジーをプレゼントすることもさることながら、旧作を知らぬ若い世代にも2199を観たのをきっかけに旧作ヤマトシリーズにも興味と関心を持ってほしいと思って、2199テレビシリーズに加えて完全新作@「星巡る方舟」を作ったのやもしれませぬ、それも敢えて2199からファンになった層に決してわかりやすいとは言えぬ「星巡る方舟」を、敢えてニューヤマトファンを甘やかすことをせずに・・

ヤマトを好きになってくれてありがとう・・でも、本当に好きならば旧作シリーズがどんな作品だったかを自ら求めて知ってほしい、旧作の続編には良い点も悪い点も両方いっぱいあるけれど、やはりこれが原点なのだから。そして、もっと宇宙戦艦ヤマトのことをさらに好きになってほしい・・この作品は本当にこれだけの価値がある作品なのだよ・・いいかな

・・きっとヤマトの魅力をよく理解しておられるであろう、2199製作陣のそんな声が聞こえてくるようですわい。


完全新作でありながら、旧作ヤマトのシリーズ全体の良きところを取り込み集大成させたがごとき、ヤマト2199星巡る方舟。此度はかめばかむほど味わい深きこの作品のノスタルジーな面(旧作リスペクト)について、不肖、藤堂おじさんが考察いたし申したるよし。じゃが、星巡る方舟の魅力はこれだけに留まらずじゃて、次回は、日を改めて、星巡る方舟においていよいよ顕著になりたる、ヤマトもう一人の生みの親たる、松本零士テイストについて述べることができれば幸いにござる・・

・・・・が、しかし、

藤堂おじさん、例年になく忙しくなりましてござりまする、なにゆえ?じゃと申さば、なぜなら今年は長野新幹線改め、北陸新幹線がさらに北陸金沢にまで伸延すること間近なれば、長野の観光を担う身の上としては大変なことなのでござるよ、なにせ、これまでの長野県観光の手法がまったく通用せぬことになり申すゆえ、長野県のアピールポイントなり、やり方、キャッチコピーなりをありとあらゆる事柄を見直していかねばならぬゆえ、もはや長野は新幹線のゴール地点ではなくなりますゆえ、これまでの実績に胡坐をかいておってはいけませぬゆえ・・



星巡る方舟、大いなるヤマトの世界観を再現せり


死中に活を見出さねば、この逆境は乗り越えられぬ!








星巡る方舟、大いなるヤマトの世界観を再現せり


可能性のある限り最後まであきらめるな!






この藤堂おじさんも、沖田艦長やバーガー少佐を少しでも倣いつつ、2012年4月7日以来、3年にわたってリフレッシュさせてもろうたヤマト魂をもって観光のあり方改革に奮闘いたしましょうぞ。
それゆえ、更新頻度が落ち、遅くなるやもしれませぬが、ヤマト2199星巡る方舟の魅力第2弾をまたここで語りたき所存でござる。



星巡る方舟、大いなるヤマトの世界観を再現せり
たとえ、忙しくとも、いかほどに年老いようとも、わしはヤマトへの思いは片時も忘れはせぬ!宇宙戦艦ヤマトなくして、今のこのわしもなし!ヤマトはおのれ自身の人生の大いなる一部なのじゃからな



Posted by まほろば旅日記編集部 at 03:00