2013年08月20日

デスラー総統の本性や、いかに!?

デスラー総統の本性や、いかに!?
↑どうみても“いい人”には見えぬデスラー総統のこの表情

私の本性を、そんなに知りたいかね・・ヤマトファンの諸君
ならば、見せてやろうじゃないか、第7章で


藤堂でござる。

昨年の4月7日に抜錨し、足掛け1年以上に及んだヤマトの旅路もいよいよ最終章にござる。

はてさて、宇宙戦艦ヤマト2199は、ヤマト自身の物語であると同時に、敵方たるガミラス大帝星の物語でもあるのは、ヤマトをよく知るお歴々には周知の事柄にござるぞな、もし。

そのガミラスの頂点に君臨するのが、

デスラー総統

旧作華やかなりし20世紀のころから、ヤマトファンの間で絶大なる人気を誇り続ける御人でござるわな。

じゃが、旧作ヤマトシリーズにおいて、デスラー総統に心酔されておるお歴々の中には、実は、2199のアベルト・デスラー総統のキャラクターに「待った」をかける声があり申すとか。

そのご意見に耳を傾けますればじゃ、

・2199の総統は自らの手を汚さず高みの見物ばかりのような気がする

・ディッツやタランたちに支えられているだけで、実は自分では何もできぬ無能者なのでは?

・苦労知らずで、ゲーム感覚で政治や戦闘をする遊び人なお坊ちゃんなのでは?

・口がうまく、大衆をダマす詐欺師

・2199を見て、旧作のデスラー総統が草葉の陰で泣いている


まあ、ざっとこんなものでござろうやのう・・それにしても、デスラー総統崇敬会の会員様たちがこれらをご覧になれば烈火のごとく怒り狂いそうな・・


デスラー総統の本性や、いかに!?

ずいぶんと、このデスラーを見下してくれるね・・怒り


デスラー総統の本性や、いかに!?
デスラー総統、それは、
総統ご自身のお振舞いから、
彼らがそう思うのも無理なからぬことかと・・


デスラー総統の本性や、いかに!?
デスラー総統の本性や、いかに!?

いささか、旧作へと脱線にござるが、ヒス副総統のコメントがごとく、宇宙戦艦ヤマト2199でのアベルト・デスラー総統、これまで見る限りでは

高潔で偉大なる指導者というよりは、狡猾でニヒルな支配者としか映らないのは確かなことにてござりまする。

例えばでござりますれば・・

(第8話より)
デスラー総統の本性や、いかに!?

人間とは、愚かで従順な生き物だ
・・そして、この上なく退屈な存在でもある


ご存知、ガミラス建国千年祭にて国民を前に、今あるガミラスの繁栄は全て国民のもの、感謝すると高説し終えた口が渇かぬうちに、総統閣下はかような本音を漏らしておるわけでござりまする。

(第22話より)
デスラー総統の本性や、いかに!?

(ユリーシャが)本物かどうかなどどうでもいい
・・そのことを国民が信じてくれさえすればいい


そして、そのすぐ後に、ドメル追悼式で、ドメルを失った悲しみを埋めるための希望をという演説でまたもや国民を熱狂させるわけにてござる。

デスラー総統の本性や、いかに!?
↑この名演説(演技)に、国民たちはすっかりデスラー総統を信じきっておるわけにて候

悪く言えば確かに大衆をだまして煽っておる、まさしく、煽動の達人

ガミラス千年祭といい、ドメル追悼式といい、裏方でデスラー総統がボロリとのたまわっておる言葉をも国民がもし知り得たれば、ビックリ仰天にござりましょうな。

そ・し・て

デスラー総統の本性や、いかに!?

総統の気まぐれは、いつものことだ・・

タラン兄が吐き捨てるように口走ったこの一言は、日ごろの総統の人となりを的確に表しておると考えてよろしかろう。つねに閣僚の一人としてデスラー総統に謁見する機会も多く、テクノクラートとしての冷静な眼で観察したうえでの総統閣下に対する評価じゃろうて、信憑性は高いといわざるを得ませんわい。

そして、そして、さらなる極めつけは

今まで身を粉にして尽くしてきた側近でも、不要になれば切り捨てる冷酷な側面が最終章で明らかに

デスラー総統の本性や、いかに!?
そんな・・・・私を置いていくなんて
うそよーー!!


う~ぬぬ・・
デスラー総統、あなたは大したマキャベリスト

デスラー総統の本性や、いかに!?
↑確かに、中世イタリアの思想家マキャベリは、君主たるものは人格者であるよりも狡猾で策略に長けているべきだと唱えておるそうでござる

では、デスラー総統は悪人でござろうか?

といいますれば、イエスでありノーである。

デスラ-総統を悪人だとは一概には言えぬ、言えぬのでござる。

第22話までで明らかになりおる総統閣下のお人柄を分析しますれば、一般人の常識から見てどうかと思える節だらけではござるが、実は国家の指導者としては、あながち悪いとは言えぬところでござる。

当方まほろば旅日記きっての歴史リポーター、KI氏(倭(ヤマト)しうるはし担当)とそのことについて話したことがござるのじゃが、それが、おじさんにとって大いなる参考になり申した。

彼いわく、

アベルト・デスラー総統は、ルネサンス時代のイタリアの思想家マキャベリが著書「君主論」において説いた君主の理想像にピッタリなのだそうな。

日本の実在の歴史上の人物でいえば、鎌倉幕府の源頼朝の人物像とも、2199のアベルト・デスラー総統の人物像はよく似ておるのだそうな。

KI氏の指摘によれば、デスラー総統は一見,狡猾で非人道なことも平気でやってのけますが,それは長い目で見れば結局はガミラス帝国にとってプラスになっているのではな、「非情も長い目で見ればまた情」を旨とした頼朝公の施策との共通点が認められ,興味深いところなのだそうでござる。

なるほど、おじさん納得びっくり!

これはKI氏の持論じゃが、おじさん自身でもデスラー総統を一概に悪人と決め付けられぬと思う根拠がござる。

それは、

フラーケンがデスラー総統に忠実につき従っておること

デスラー総統の本性や、いかに!?

あの一匹狼ヴォルフ・フラーケンでござる。地位や権力を傘に着る人間を大いに嫌うフラーケンが、デスラー総統には忠実につき従っておることは注目に値するのではなかろうや。もし、総統閣下が単なる冷酷・横暴なだけの人物でござれば、フラーケンが素直につき従うとは思えぬわけにてござりまする。

それと、旧作ヤマトのころからのデスラーファンのお歴々に今一度、思い出していただきとうござる。
デスラー総統が、その偉大なる人格と行動力でファンを魅了したのは、彗星帝国編とりわけデスラー総統の人物像が深く描写された宇宙戦艦ヤマト2からではござらなんだか。ガミラス帝国も瓦解し、事実上、彗星帝国の一客将として挫折にもめげず艱難に耐えて、ガミラスの復讐を果たすためヤマトとの戦いに挑み勝利を間近にするものの、古代や森雪の地球への思いに触れて、それが自身がガミラスを思う気持ちとなんら変わりない「愛」であると悟り、復讐の念を捨て去ったデスラー総統。続編では自らを犠牲にしてスターシアを救おうとし、その死に絶叫、悲痛なる思いをあらわにしたデスラー総統・・ファンを魅了した総統の奥深き人間像は実はそのほとんどがヤマト2以降のものでござって、1974年に放映された初回の宇宙戦艦ヤマトのものではござらぬかったはずぞな、もし。
旧作の一作目のデスラー総統はまだ挫折を知らぬ冷酷無比な支配者ではござらなんだか。それを鑑みますれば、2199のアベルト・デスラー総統が狡猾で冷徹な人物であることに、何ら不整合も矛盾もないわけにてござりまする。

デスラー総統が、大いなる挫折を経て、一皮むけてさらに立派になりあそばすのは続編の白色彗星帝国編以降のことなのじゃから、2199のアベルト・デスラー総統も、いい人へと脱皮するのであればそれは将来のことにござろうて、もし、2199に続編が作られるのでござれば、そのときには「私の心は・・はるかにテロン人に近い」と感情込めてのたまう、一皮むけたアベルト・デスラー総統が登場いたすことになりましょうぞな、もし。


今回の2199における総統閣下は確かに孤独な御人じゃが、少なくとも、無能な坊ちゃんでもなく、傲慢な悪人でもないでござるよ。
じゃて、最終章でのデスラー総統のご活躍にご期待いたしましょうぞ。

ガーレ、デスラー!





Posted by まほろば旅日記編集部 at 03:25