2013年01月24日
宇宙戦艦ヤマト2199第4章感想(3) ~オリジナリティ

藤堂でございます。
いや~、去る4月7日から火蓋が切られたヤマト2199も、ちょうど中盤となりましたわけにございまするな~。
おじさん、1章から欠かさず見てまいったわけにござりまするが、4回とも、
あ~、見れてよかった。実によき時間を過ごした
と見終わった後には、心地よい疲労感とひとしおの清涼感を感じてござる仕儀、いや、大げさではなく本当にでござる。
映画を鑑賞すると、よかったと思う反面、まあこんあものだろう、仕方ない、ということもあれば、見なかったほうがと思うことも様々にござるが、おじさん、記憶にある限り、この宇宙戦艦ヤマト2199ほど、見終わった後の充実感を得られたことはないのではなかろうか。しかも、これまで4章観てまいった仕儀にござるが、4章とも。
自身でも驚きにござる。
他の旧作ヤマトファンのお歴々も同じように感じてござるのだろうか。身近なところでは、小生が代表をつとめる、まほろば旅日記編集部のメンバーにひとり、いわゆる小生のような旧作ファンのオヤジ世代ではなく、若いのだが、宇宙戦艦ヤマト2199が好きで4章とも欠かさず観ている人がいるがいて、やはり観終わった後には観に来てよかったと感慨的な気分になるのだそうな >ですな?KIさん
・・・・いやはや、前置きがえらく長うなりもうしたぞな、もし

ヤマト2199第4章感想、3本目は、藤堂おじさんが(1)(2)で書いた以外に気になることなど書き出しましょうぞ。
1.人間ドラマの奥深さ
これは今回の4章に限らず、すでに2章あたりから言えることだが、地球側、ガミラス側の双方の人間模様、感情描写が実に奥深い。1974年版の旧作に比べても、極めて各登場人物の人間性や生い立ちに迫った描写が多いのが、このリメイク版、ヤマト2199の特徴でもあり、旧作では描かれなかった、ヤマト2199の最大のオリジナリティといえましょう。
2.人は間違いを犯す。たとえ命令でも間違っていると思ったら、自分を貫く勇気も時には必要だ(沖田艦長の御言葉)

これは、現実の世界で社会生活を送る我々の人生にとっても十分通じるところがあるものですな。若かりしころの藤堂おじさんは、旧作ヤマトの沖田艦長から、数々の教訓を頂戴してまいりましたぞ。
沖田艦長はアニメの世界におわす、“もう一人のお父さん”にございまする。
2199でも、沖田艦長が、閉塞感に苛まれる大勢の日本人を勇気付けてくれることを期待しましょうぞ。
3.ガミラス人のメンタリティは地球人(テロン人)と同じ。

↑優しすぎるドメル将軍。これがあの宇宙の狼といわれる猛将ドメルの意外な表情。
ヤマト艦内で行われた、メルダ・ディッツの検診の結果、DNA構造はガミラス人も地球人も全く同じことが判明した仕儀にござるが、そうなればガミラス人の考え方やものの感じ方など精神性が地球人のそれと同じであっても不思議ではないというものにござる。メルダと山本玲も一騎打ちを通じて、何か互いに分かり合えるものを掴んだかのように描写されておりましたし、メルダに限らず、ガミラス帝都バレラスでのドメル将軍凱旋式で描かれた、ガミラス側の様々な人間模様じゃが、
3-1.パレードに駆け寄ってドメルに花束を手向けるガルマン人の少女とそれに「ありがとう」と笑顔で応えるドメル将軍
3-2.無事、ヤマトから帰還後、何があったのか全く黙して語らぬ娘メルダに「全く、あの親不孝者が・・・」と漏らすディッツ提督
3-3.幼くして亡くなった一人息子(たぶん)の墓前に花を供え、静かに手を取り合うドメル夫妻
3-4.妾をはべらせ、「オタクは何も知らんでええんや!」となぜか河内弁のゼーリック。まるで大阪のヤクザのような、“もみあげゼーリック”元帥。ちなみに“もみあげ”という渾名はタラン(兄のほう)がつけたものらしい。

誰がモミアゲやねん、ゴルァ~
3-5・たった一人の同胞にして、(おそらく)可愛い部下の死を見届けて、さめざめと涙した、セレステラ宣伝相
・・・・・・いや~、こうやって見るとガミラスさんも、まっこと人間臭い。われわれテロン人と何ら変わることはない。
4.「あいつなら・・・」と古代守を偲ぶような真田さんと新見女史のやりとり
前章の、シロシンタのリクエストのときと同様、ジーンときましたぞな、もし。真田さんの内面をよく表したシーン。真田さんは概して合理的なところはあるが、断じて冷血人間じゃない!!



発射ーっ、次元ターン ブロー!!
出渕監督が1章公開前に発進式にて宣言したごとく、このヤマト2199は旧作の単なるリメイクに留まらない、オリジナリティあふれる、平成の世の宇宙戦艦ヤマト。
とかくヤマト2199は、前にも書いたが、おじさんたち旧作ヤマトファンと同様、宇宙戦艦ヤマトのすべてが好きで好きでたまらない人たちが製作しているわけにござるゆえ、旧作ヤマトにとうとうと流れる精神を十分に受け継ぎながらもそれを大いに昇華させたオリジナルな出来栄えになっているのも、考えてみれば不思議はないというものにござりますな。
あと、最後にひとり気になるキャラクターが、
↓↓↓遠山清

そう、榎本掌帆長の部下のひとりで「~なんだなぁ・・」という言い回しが口癖の丸刈りやや肥満。
前記事で紹介した、北野哲也のことともども、ヤマトクルーの掲示板でも話題になっておるようじゃが、やはりこの遠山清、昭和の放浪画家、山下清がモデルなのかもしれませぬなぁ。
昔のドラマ「裸の大将」においても、芦屋雁之助が扮する山下清が「ボ、ボクは・・・・なんだなぁ」という言い回しが印象に残っておりまする。ヤマト2199製作スタッフの中にドラマ「裸の大将」のファンがいらっしゃるのかもしれませぬのぅ。
Posted by まほろば旅日記編集部 at 03:00