2012年10月16日

新宇宙戦艦ヤマトを読んで思うこと

新宇宙戦艦ヤマトを読んで思うこと

新宇宙戦艦
       新宇宙戦艦ヤマトを読んで思うこと 松本零士著 


藤堂おじさん、松本駅前のブックストアーでとうとう取り寄せ、完読してしまいましてござりまする。

そして、読んだ感想はといえば・・・

確かに、旧作ヤマトのキャラクターデザインを中心になって監督していた松本零士先生の著作なので、おなじみのキャラクターと絵柄ではありました。

ただ、かなり物足りない、いろいろな意味で。

例の裁判がどうであれ、旧作ヤマトがあそこまで偉大なる作品になるには、松本先生の功績も大きかったことはは、この藤堂おじさん、知っているつもりなのでこれ以上、多くは語りますまい。

どうしても、この新宇宙戦艦ヤマトの内容が気になる人は、おじさんと同じように本屋で自分で取り寄せていただきたい。値段的にも2巻合わせて1000円を少し上回る程度で、日数もあまりかからず取り寄せられましたぞ。

強いて申すなれば、

偉大なる宇宙戦艦ヤマトは一人の力でできたものでもなく、誰か一人の占有物でもないのだという仕儀。


ところで、松本先生の新宇宙戦艦ヤマトに対して、藤堂おじさんが、次に引き合いに出したいのは、こちらにござりまする。

新宇宙戦艦ヤマトを読んで思うこと

そう、これはYAMATO2520

旧作シリーズが完結した後、まがいなりにも共にヤマトを創り上げてきた松本零士と決別した西崎プロデューサーが主になって手がけた新しい宇宙戦艦ヤマト作品にござる。
おじさんもこの動画は見たが、艦戦の絵柄のクオリティはガンダムシリーズの絵のクオリティばりに見事なのじゃが、ストーリー展開はまるでチープな感じにござる。同じヤマトの名を冠していても、偉大なる旧作ヤマトシリーズとは似ても似つかない代物だった。深遠な世界観、重厚なストーリー、魅力的なキャラクター設定、魂を揺さぶるBGM。残念なことにそのどれもこの西暦2520年のヤマトにはなかった。1974年~1983年まで心を振るわせたあのヤマトとは通じるものが見出せなかった。

新宇宙戦艦ヤマトを読んで思うこと
↑新宇宙戦艦ヤマトを大幅変更したOVAアニメ「大ヤマト零号」 


一方、正直に言えば、同じことは、実は松本先生のオリジナルアニメ「大ヤマト零号」にも当てはまるといわざるを得ない。例の西崎総監督とのヤマト裁判のために新宇宙戦艦ヤマトを大幅に路線変更せざるを得なくなったのがこの大ヤマト零号シリーズである。
確かにキャラクターは旧作ヤマトの面影を多分に受け継いでいるけれど、ストーリーとか世界観とかはまるで旧作ヤマトに通じるところが感じられなかった。
・・・・松本零士先生が描くキャラクター設定は個人的に好きゆえ、こんなことを書くのははばかられるところでござりまするが、お許しくだされぃ。

そして、簡単に言えば、松本先生と西崎監督、それぞれが別個に作ったヤマトはいずれも未完成のまま、ついえてしまっているという事実がござりまする。1974年~1983年にかけて、協力して偉大なる宇宙戦艦ヤマトシリーズを創出したはずの、二大キーパーソン(もっといえば音楽担当の宮川泰氏も入れて三大キーパーソンなのだが)ではござりまするが、それが別個にそれぞれ新しいヤマトを手がけたところ、双方とも頓挫しておるという結果にござりまする。

それが意味するところは如何?

もう往年からのヤマトファンのお歴々であれば、言わずと知れたことでござりまするな。せっかくなので、その答えを偉大なるヤマト艦長とヤマトシリーズ最高の名敵役の口からしっかりと語っていただきましょう。

それでは、宇宙戦艦ヤマトシリーズきっての偉大なるお二方、どうぞ。


新宇宙戦艦ヤマトを読んで思うこと
それはのぅ、松本氏、西崎氏、どちらが欠けても偉大なる宇宙戦艦ヤマトは到底再現できないということじゃよ

新宇宙戦艦ヤマトを読んで思うこと
そう、オキタの言うとおりだ。
ヤマトが、我々ガルマン・ガミラスが紡いできた、あの深遠なる世界を再現するというのは並大抵のことではないのだよ。松本氏のデザインと西崎氏のストーリー構成がうまく共鳴して初めて生まれたのが、そう・・・我々自身と、我々が織り成す宇宙戦艦ヤマトの世界なのだよ。


新宇宙戦艦ヤマトを読んで思うこと
そして、宮川さんの音楽が、ヤマトの世界観をいっそう奥深いものに仕上げたことを、ヤマトが好きな人々も我々ヤマトの登場人物も忘れてはなるまい

新宇宙戦艦ヤマトを読んで思うこと
西崎氏のストーリー設定、松本氏のキャラクター画のデザイン、そして、宮川氏が作曲した音楽がそろって、20世紀アニメの奇跡ともいうべき“宇宙戦艦ヤマト”が生まれた。
そのいずれが欠けても、ヤマトは発進しなかったに違いあるまい


(旧作ヤマトより、沖田艦長&デスラー総統)



新宇宙戦艦ヤマトを読んで思うこと

・・・そして、偉大なるヤマトの再現という、至難のテーマに今、まさに取り組んでいるのが、出渕監督をはじめヤマト2199の製作陣ということ

火中の栗を拾うようなことだと諌められたとか、日の目を見るまでに4年もかかったという事実が、宇宙戦艦ヤマトの再現がいかに繊細で至難な業であるか、しかも、出渕監督をはじめ旧作ヤマトの大ファンだった人にとってもそれは大変困難を極めた作業だったことが、劇場パンフレットその他のインタビュー記事からはいろいろと推察されるところでござりまする。

いわば、今のヤマト2199の製作スタッフもまた、はるばるイスカンダルへと向かうヤマトの旅路のような、“偉大なる名作の再現”という前人未到の旅路へと今、乗り出しておるということでござりまする。

現在、第3章が上映中ということで、ストーリーの完結はまだまだ先。

今度こそは、今度こそは、往年のヤマトファンもこれからファンになる新たなヤマトファンも含めて全てのヤマトファンが、「いいなぁ~、ヤマトは。やはりヤマトは偉大だ」と、目頭を熱くして満足できる・・・・ヤマト2199をそんな作品にしてほしい。

第1章、第2章を見る限り、ヤマトは無事、(コケることなく)飛び立ったと思う。

ヤマト2199よ、無事、イスカンダルへと到達し、我々がずっと待ちに待ち焦がれてきた
新宇宙戦艦ヤマトを読んで思うこと
を、いま一度。


これぞ “宇宙戦艦ヤマト”だ!といえるものを見せてほしい。


・・・かような想いと期待を抱きつつ、ただいま上映中のヤマト2199第3章を観るためにこの週末の特急あずさ号新宿行きに搭乗すべく松本駅のみどりの窓口に並んでいる、藤堂おじさんにござりまする。新宇宙戦艦ヤマトを読んで思うこと

Posted by まほろば旅日記編集部 at 03:03